2010.12.29(水)
カテゴリー:バス釣り, ロッド

ソリッドセンサー61。菊元的解説。

今日は、ヘラクレスのニュースピニングロッド

ソリッドセンサー61の菊元的インプレッションを。


はっきり言って凄いソリッドティップが出来ました!!


最初に言っておきますがこのロッドの開発に関して

僕は一切関わっておりません。


スーパーマニアックロッドフェチであり

JBトップトーナメンターの福島健に開発の全てを任せました。


マニアック職人。福島健。


トップ50のウルトラハイプレッシャーで修羅場をくぐってきた

超絶ライトリガーの福島の経験とノウハウの方が

ここ数年パワーフィッシングに傾倒してきた僕よりも

遥かに上回っていることを素直に認めているからです。

 

餅は餅屋ということです。


はっきり言って福島健は凄い!!


そのロッド創りに対する細かなこだわりは

変態の域に達しています。職人中の職人です。

自宅に工房を持ち(作り)、

ルアーやロッドまで作ってしまうスーパーマニアです。

ガイドセッティングやグリップ形状などは

自分で納得いくまでいじくり倒します。

(その模様はいずれ紹介します。)


TOP50北浦戦3位入賞。

全てのバスをソリッドセンサー61で獲った。

ダウンショットを駆使した凄い釣り方だった。


福島はEGから提供したロッドも自分の納得するまで

いじくり倒します。

ロッドフェチ&スーパーマニアックな職人です。


本人は目立ったり、有名になりたいなどと言う気は

全くといっていいほど無い!!

メディアにも全く出たがりません。

目立ちたがりで自己顕示欲が強い人が多いこの業界では

珍しいタイプの人間です。

純粋に人より進んだ道具や人と違った釣り方で差をつけたい。

純粋に試合で勝ちたいという

ある意味、ホンマに純粋なバスプロです。


昔、初めて The Hit に出演依頼をした時は

真剣に出たくないと言っていました。

しゃべるのが苦手だし、目立ちたくないらしいです。

困ったもんです。

でも、彼の道具創り、とりわけロッドに対するセンスと情熱は

凄いと感じた僕は、福島の得意中の得意分野のスピニング、

それもソリッドティップという超繊細なロッドの開発を彼に依頼したのです。


結果としてそれは大成功でした。

仕上がったロッドは驚愕の出来栄えでした。


ソリッドセンサーは、

「喰わせ重視だけのダルなソリッドではなく、操作性にこだわった攻めのソリッドロッド。」

「バスのアタリかどうか目でティップを見て、あるいは違和感を感じて

聞いてみてもバスがロッドの存在、違和感を感じず離さない超繊細なティップ。」

「超繊細なティップで微妙な違和感をアタリとして捉え、

フッキングと同時にチューブラーの強いベリーで

しっかり掛け、バットで寄せる。繊細かつ力強いロッド。」

と福島は表現します。


菊元的には、ソリッドの割りにリグが良く飛び、感度もかなりイイ。

ソリッドの場合、バイトはティップの振動を見て取ることが多いので

手にくる感度はあまり無いことも多いですが、こいつは感度も良く

目と手でバイトを確実に獲れる。

また、強い流れの中でデカバスを寄せられる強いロッドだと思います。

ヘラクレス製法で創ったかいがありました。


これはルアマガ取材で釣ったゴーヨン。

僕のソリッドセンサー初フィッシュです!

  おかっぱりのサイトで仕留めました。

ネコリグです。


日本のスモールマウス専用に作られた繊細さだけが際立つ

華奢なソリッドではなく、ラージ、それもデカラージでも対等以上に

渡り合える繊細ながらパワフルなソリッドティップスピニング。

はっきり言って「僕の釣りのスタイルではソリッドはいらんやろ。」

そう思っていた自分が愚かに思えるほど

滅茶苦茶イイ!滅茶苦茶使いやすい!!

それが、ソリッドセンサー61についての菊元的印象です。

おかっぱりでも最高です。


またまた大長編になってきたので


この続きはまた明日。




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2010.12.28(火)
カテゴリー:バス釣り, ロッド

トルクアータ7!菊元的解説その2。

さて、昨日に引き続いて次世代クランキンググラスロッド

トルクアータ7の解説です。


ブランクスカラーは今までのヘラクレスとは

趣が異なります。


ブラウンパープルディープフィニッシュ。

太陽光を受けブラウンにもパープルにも見えるブランクスカラー。

結構こだわって何度も塗り直しのサンプルを作りました。

そのかいあって、美しい仕上げになり気に入っております。

写真が下手で分かりにくくてすんません。


グリップは固定式。ワンピースです。


さて、トルクアータ7(後に出るトルクアータ66も同様)は

どんなルアーに向いているか?

一番向いているのは、シャロークランクです。

重心移動が無い投げ難いクランクや

小型軽量のクランクでは特にトルクアータの

投げやすさと飛距離に驚くことと思います。

乗せて運ぶフィーリングで

エバーグリーン史上、最も投げ難く飛ばない

スタンブルもストレス無く扱え、飛んでいきます。


軽いスタンブルも投げやすい。

霞で多用しました。


その他は


ワイルドハンチ!

そして


TC-60やFSRなど。

重心移動システムを備えていないクランクの

キャストフィールは最高です。勿論、ノリも最高。


勿論、こんなルアーにも


シャッドラップとウイグルワート。

アメもののバルサやウッドの投げ難いクランク、フラットサイド系にも最高です。


また、重心移動システムを備えていても

小型軽量な


コンバットクランクMINI

などもぶっ飛んでいきます。


勿論、


コンバットクランクにも!

上から120、180、250。

これぐらいのレンジのクランクが扱いやすいです。


ただし、超ロングキャストが必要な場合やウィードをカットオフして

使いたい場合は、上記のコンバットクランクには

フォースグランディス7のほうが向いています。

やはり、「カッ飛び」性能を最大限に活かしたいなら

カーボンの方が向いています。

僕もカッ飛びコンバットにはフォースグランディス7の使用率が

高いです。


でも、良く飛ぶコンバットクランクでも

リップラップを根掛かりさせずにヌメヌメタイトにトレースしたい

場合や、冬から早春、あるいは秋のターンオーバー、急激な水温低下などの

タフコンディションが予想される場合には飛距離よりも

吸い込ませる性能、確実に掛けて獲る性能を重視します。


コンバットクランク320&トルクアータ7。

この時は飛距離よりもリップラップへの根掛かり回避と

吸い込み性能を重視してグラスを選択した。

また、この時は濁っていたのでロングキャストよりも

プロダクティブゾーンを無駄なく手返し良く攻める

中短距離のキャストを多用していた。

トルクアータはコンバットクランクで言えば

320くらいまでが許容範囲内。

テストでは480でも何本か釣ったが

そこまでいくとストライクマスター77のほうが

さすがに良かった。

 

トルクアータはシャロークランキングのスペシャリティーロッドですな。


ところで、

クランキングでのロッド選びは何を重視するかで決まります。


「飛ぶ」クランクのアドバンテージを活かしたい、

ウィードを瞬間的にカットしたいというなら

張りのあるカーボン。

投げ難いクランクを快適かつ正確にキャストし続けたい

リップラップでの根掛かりを回避したい

バイトをはじかず、吸い込ませたい時は

フレキシブルなグラス。

簡単に言うとこんな感じで僕はロッドを選択しています。


霞水系などの根掛かり地獄の石積みなどでの

トルクアータのアドバンテージは計り知れない。

根掛かりを回避して貴重なバイトを確実にモノにしてくれます。


また、ウッドカバーに滅法強いコンバットクランクフラットサイドなどで

レイダウンやティンバー、竹などのウッドカバーを攻めるときも

木にソフトタッチで根掛かりし難いグラスの

トルクアータが向きます。


僕の大好きなコンバットクランクフラットサイド。

こいつでカバーを攻めるならトルクアータが絶対。

アキュラシーを重視するなら後から出るトルクアータ66が有利。

軌道修正、タイトトレースならトルクアータ7が有利。

関係ないけど菊元的には四国では川でもリザーバーでも一番実績がある。

四国最強!?のクランク。でも池原でもいいで。


また、1/4~3/8oクラスのSR-MINIのようなスピナーベイトの

早巻きにも向いています。スローロールには不向きです。

常にテンションが強くかかる釣りでこそ

グラスの喰い込みの良さが活きてきます。

3/8ozバズベイトにも同様の理由でいいです。


だんだんグラスロッドの最高峰トルクアータの使いどころが

分かってきたでしょうか?


ただ一つ言えることは、これでないと獲れないバスがいることです。


僕も5年ぶりのオールスターで2本の貴重なキロフィッシュで

会場を沸かせることができたのも

このトルクアータ7とスタンブルがミスなく獲らせてくれたからです。


タフコンディションでの貴重なバイト、ビッグフィッシュをフック1本で絡めとり

ランディング出来た時、貴方はトルクアータの真の価値を知るはずです。



1月末の発売をお楽しみに !




全く関係ないけど

昨日、昼ごはんを食べにいったら途中の

僕が良く昼休みに足ツボマッサージに行く店で

何故かもちつきをやっていた。


毎年この時期になると

もちをついて、道行く人に無料でお汁粉をふるまうのである。


何故かVサイン。僕もお汁粉を勧められたが

昼飯前なので断りました。


会社は年内29日まで。

つまり明日までですが、社内でやることがまだ残っているので

必死のパッチで頑張ってみます。










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2010.12.27(月)
カテゴリー:バス釣り, ロッド

トルクアータ7!菊元的解説。

1月末にデビュー予定のヘラクレス初のグラスロッド

トルクアータ7について語ってみます。


正確にいうとトルクアータ7はグラスとカーボン4軸のコンポジットロッドです。


ヘラクレス・トルクアータ7。


メインの素材はユニディレクション(UD)グラス繊維を使っています。

UDグラスとは縦への単一方向のみで構成されるグラスのこと。

UDグラスが圧倒的に良いのは、理想的な柔軟性、伸び、追従性を備えていること。

喰い込みがイイ。吸い込ませやすい。ボトムへの当たりがソフトで根掛かりしにくく

舐めるようなトレースが可能。バスの急激な走りにリニアに追従する柔軟性。etc..,

リトリーブの負荷がかかって曲がっている状態からのバイトにさらに入りしろがある。

低弾性のカーボンでも弾性率20ンくらいだが

グラスは弾性率7トン。

いかに柔軟に曲がるかが理解しやすいと思う。

UDグラスのロッドには、クランキンロッドとしての魅力が満載だ。


ただし、単一縦繊維ならではの弱点もあって

グラスシートのレジン(接着剤)含有率を

高くしないと剥離、破損しやすくなる。

アメリカモノのごっつい太いグラスはUDではなく

縦の繊維に加え横の周方向の繊維をプラスした

グラスシートを使用したものが多い。

この横方向の繊維の割合が高いため

必然的に外周が太く、重いものになりやすい傾向が強い。

また、マテリアルのレジン含有率も高くなる。

アメリカングラスに激重のものが多いのもそんな理由による。

でも、アメリカ人は日本人より遥かに強い腕力と体力が

あるので、その重さはさほど問題視されない。


でも、日本人が使うならしんどくて1日中振れない。

ヘラクレスで作るなら軽くて強くて正確なサオが欲しい。

でもUDグラスの利点は最大限に活かしたい。

そこで、トルクアータは縦繊維のUDグラスに

極薄のスクリームシートをプラスし

UDの利点を活かしながらにして

軽量でなおかつ高強度のロッドに仕上げた。

極薄のスクリームシートプラスで

従来の髙レジンではなく低レジンの軽量なUDグラスシートを使用すること出来、

グラス(コンポジット)とは思えぬ軽さをも身に付けたのである。

ちなみにタクティクスのスーパーノヴァシリーズも

このマテリアル、製法で仕上げたロッドである。


しかし、ヘラクレストルクアータはその上をいく製法で

遥かに高い性能を手に入れた。

ヘラクレスクロスの4軸補強である。

UDグラスは特に横方向からの負荷に対し、

特に太くなるバット部が真円から楕円状に

変形しやすくなり、パワーロスや破損、キャストの正確性に問題が出る。

そこで、バット部をヘラクレスクロス4軸武装することで

楕円状の変形を防ぎ、ねじれに強く

パワー、強度に加え、キャストの正確性とロングキャスト性能を手に入れた。

グラスの優位性を最大限に活かし、4軸補強によりグラスの弱点を消し去った。

おまけに感度の向上という副産物も手に入れた。

 

夢の次世代グラスロッドがトルクアータ7なのである。


トルクアータ7テスト時のナイスフィッシュ。


テストではこのヘラクレスクロスの補強を元ガイドまで、その1つ上のガイドまで

もう1つ上のガイドまでの3パターンのプロトをテストした。

勿論、4軸補強が多い程、フィーリングはカーボンに近くなった。

しかし、僕が選んだのは元ガイドまでのバットセクションのみの4軸補強。

何故ならば、グラス独自の乗せて運ぶキャストフィーリングが欲しかったのと

吸わせるティップに加え、掛けるベリーが思いのほか強く、

フッキングになんら問題はなかったのだ。

また、掛けてからのファイトでもグラス独特のファイトをその柔軟性で

吸収し、リニアかつフレックスな追従性が採用したプロトが最も優れていたからである。

「これがUDグラスの利点を最大に活かせるセッティングだ!」と確信出来た。


このしなり ! 気持ちイイです !


さて、ではトルクアータ7は何を使うために作ったのか?

それは、ズバリ、シャロークランキングである。

それも、タフタイムのシャロークランキング。

カーボンロッドで乗せられないバイトを乗せ、

リアフック1本の浅掛かりをフロント、リアのダブルにする。


オールスターでのナイスフィッシュ。

トルクアータ7&スタンブルで抜き上げた。

シビアになるほどグラスの威力は発揮される。


そして、もっと言えば、一般的に飛ばないとされている

重心移動システムをもたないクランクや小型軽量のクランク、

バルサやウッド製のフラットサイドクランクなどに特に向く。

これらのクランクは例えばコンバットクランクシリーズのような

カッ飛び性能を備えておらず、飛ぶスピードが緩やかである。

グラスのしなって乗せて運ぶ性能が「飛ばし難い」と言われる

クランクのキャストを容易にしてくれるのである。


軽いクランクのキャストを容易にするため

トルクアータはオールダブルフットを採用。

ティップ周辺の重量をわざと増した。


チタンフレームsicリングのオールダブルフット。

ダブルフットの重みで、ロッドをスイングした時にしなる力が増幅し

軽いクランクを乗せて遠くまで運ぶことを容易にしたのである。

勿論、デュラビリティー(耐久性)も増し、ハードな使用にも耐える。


グリップはクランキンググリップと呼ぶEVAを絞ったデザイン。


シェイプされたクランキンググリップ。

操作性が向上し、冬場の厚着でも邪魔になり難い。


長くなってきたのでこの続きはまた明日にします。

お楽しみに !








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