「2023年11月01日」 のアーカイブ
バサーオールスタークラシック2023を振り返って。
「今回で最後になるかも。」
という思いで
参加させていただいたバサーオールスタークラシック。
結果は8位。
悔しくて来年もやはり出場したくなった。
齢は重ねても
その思いがある限り、まだやれると思った。
やはりトーナメントはいいなぁ。
日本最高峰の舞台。
バサーオールスタークラシックはいいなぁ。
今回は前週にWBSジャパンオープンの試合があった。
僕のスポンサーであるSDGマリン冠大会。
以前、優勝していることもあり、
出場のオファーがあり、
恩返しの意味もあり出場したかったが、
フィジカルコンディションのことを考慮して
出場をキャンセル。
2週連続の試合はきついかなと苦渋の決断。
月日はあっという間に流れる。
自分も気が付けばゴンザレスどころかロクマルになっていた。
このオールスタークラシックに出来るだけ
現状でのベストコンディションで
出場することを優先させていただいた。
非常に申し訳ないが
我儘を通させてもらったという形かな。
Basser All Star Classic 2013.ステージへ。
今回のオールスターの当初の試合戦略は
「練習を控えること。」
出来るだけ体力をセーブしたかった。
ここのところ1日のロケでも体は悲鳴をあげていたからだ。
特に背中には凄く重さを感じ、
ロケでも釣りの動作を中断してしまうことが
しばしばだったからだ。
肘も結構ヤバい。
たった1日のロケでも時間を追うごとに
パフォーマンス低下を自覚していた。
試合に出るに当たって
練習で体が壊れることを避けたかった。
ただロケではデカいのを引くことが多かった。
(*写真はEG公式YouTubeスーパーエクストリーム1.ロケ時の魚。)
普段のロケでデカいの釣っているのは
下見などせず、ぶっつけ本番で状況に対応する。
いわば「感じるままの釣り」。
風、流れ、光量の変化。
それとなにか匂うなというかすかな気配を感じたかった。
フィーリングで動く釣りをしたかった。
なまじタフな霞水系で練習して釣ってしまうと
その場所やルアーにこだわってしまうのが
むしろダメだと感じていた。
いわゆる思い出巡りになることを避けたかった。
体力温存。そして閃きを重視した試合を求めた。
というわけで霞入りしても
ボート、エンジン、エレキや魚探等の動作確認はしても
釣りの動作はしなくようにしようというのが
試合前のプランだった。
ただEGの仲間が世話を焼いてくれた。
LINEや電話などで現地入りする前に連絡をくれ、
この日は誰が行きます。
というローテを組んでくれていた。
感謝の気持ちでいっぱいです。
サポートしてくれたのは
飯田秀明。増田哲。蛯原英夫。
「来てもらってもプラには出ないよ。」と言っても
「とりあえず行きます。」と言ってくれた飯田君。
「釣りしないでもちょこっと見ておいた方が良いですよ。」と
「前で釣りしてもらって座っていたらいいじゃないですか。」と
言うのはエビちゃん。
そこまで言ってくれるなら
プラにちょこっと出ようかなという気になって来た。
現地入りは10月22日の日曜日夕刻。
明けて23日にとりあえず持ってきた
膨大なタックルをABCマリーナの艇庫にて整理。
ライン巻き替えや
ストレージに入れるタックルボックスなどを整理。
昼前にボート動作確認のため出船。
出てすぐにライブスコープに不具合があり
SDGマリン横利根ベースにピットイン。
原因は単純なものですぐに解決。
再度出船。
今度はエレキがすぐにフリーズ。
再びSDGマリンに戻る。
エレキの問題も解決して、
ついでに1年間動かしてなかったことが気になり
バッテリーの状態を全てチェックし直してもらう。
バッテリーはビンビン。
すぐに万全の体制で対応してもらえる
メカニックが現場にいてくれることは
本当にありがたい。
その日はまた出船して、
エンジン、エレキ、魚探等の動作確認。
プロトのルアーテストをちょこっとしたら
すぐに暗くなり、ABCマリーナへ戻る。
トーナメントウィーク火曜日。10月24日。
エビちゃん指令を受け、増田哲がマリーナへ。
飯田秀明は連絡通り来てくれていた。
「出ようか。」と7時過ぎに出船。
釣りの動作は控えようと思っていたが
ファーストスポットに到着すると
やっぱり投げたくなった。
プラでのファーストフィッシュは
釣りの動作を始めてすぐに来た。
いきなりキロフィッシュ。
キッカーバグファットベイビー17.5g
テキサスリグパンチング。
ロッドはオライオンブラックローズ71H。
ラインはマジックハードR20ポンド。
関西のリザーバーのフローカバーやヘビーカバーを
上から撃ち抜くのに常用している
いつも通りのヘビータックル。
前年のオールスターは
ほぼ利根川しか釣りしていないため
霞、北浦などは触っていない。
2年ぶりの霞ケ浦水系。
ヒシ、ハス、アサザなどのフローティング系ベジテーションは
ここ数年ほぼ全滅状態となったこの水系であるが
かわりにミズヒマワリが大増殖していた。
それを効率良く撃ち抜くための
ヘビーテキサスリグとヘビータックルがいきなり機能した。
釣りの動作をセーブしようとしたいたが
いきなり魚が釣れてしまったことで
ついついキャストしてしまう。
アカンやん。
しかし、その後は3人がかりで撃ちまくっても
哲と僕にワンバイトのみで何もなく
初日プラは終了。
今回はいつもにも増して
ホンマにきっついなー。
僕が「釣れないなー。」とぼやいても
付き合ってくれた2人そろって言うのは
「普通です。」という言葉。
今はこれが普通なのかと思えて来る。
忍耐力が必要と自分に思い込ませた方が良さそう。
この思いは日が進むにつれ強くなった。
メンタル強くなったなぁ。
それとなにより、プラに出てみて
以前は入れた場所が浅くなりすぎて
入れない、座礁する箇所が増えたことが
確認出来たことが凄く良かった。
当初の作戦通りノープラなら、
この日サンドバーに乗り上げ
脱出困難状態になったようなことが
本番でも起こっていたと思う。
2年ぶりの霞、北浦水系では
石積みインサイドに入れるルート確認は凄く重要だった。
トーナメントウィーク水曜日。10月25日。
プラ2日目も飯田君がサポートしてくれた。
この日は2バイト。
飯田君は前日に引き続きノーバイト。
んー。
でも僕に来た魚は、
通りがかりに「ここ良さそう!」と
閃いて入ったカバーのシェードで来た。
今まで入ったこともない場所。
これもキロオーバー。閃きで釣った魚。
試合でもメインになったマイブームのルアー&タックル。
カバークリーパー5.8g&アントライオン3.3インチ。
ロッドはオライオンライトニングストライク67ML+。
ラインはマジックハードR14ポンド。
護岸からカバーへの切り替えし場所。
風が吹き出したタイミング。
いつもロケでやっている
感じたままの釣り。
これはイイ感じかな。
プラ2日目もこの魚で終了。
北浦、外浪逆浦、常陸利根川、霞本湖とチェック。
主にシャローに入れるルートをチェック。
トーナメントウィーク木曜日10月26日。
プラ3日目。
次の日はオフリミットのため
プラ最終日となった。
この日は霞の剛腕蛯原英夫が来てくれた。
エビちゃん登場。
この日は霞本湖を回る。
朝は僕がカバークリーパー&アントライオンで
ノンキーパーを釣る。
その後僕がバイトミス。
すかさず入れたエビちゃんに来るも乗らず。
シャローへ入れるルートをチェック。
霞は石積みの間にはボックイなどがあり
隙間を縫って入ることが多いので
風が吹きつけるとボートを傷つけたりするので
かなり気を使う。
インサイドのブッシュを主に釣ってみる。
しんどくなって来たら
エビちゃんが前でエレキ踏んで
ずっと釣りしてくれるので
僕はバックシートで座って休憩。
休憩が日を追うごとに多くなる。
休みつつの釣り。
休んだら釣り再開。
すると突然来た!
デカいですー!
これこそ本番でほしい魚。
カバークリーパー5.8g&アントライオン3.3インチ。
ジグをくわえて走るいいバイト。
ロッドはライトニングストライク。
本番でもこれがメインタックルになった。
というかこれで釣るのに向いたストレッチやカバーを
釣ることとなった。
後で振り返ると
この日でほぼ戦略は決まった。
プラでは1日1本。
3日で3本。
でも来たらキロオーバー。
3本で4kgペース。
これが1日で釣れたら最高。
体力温存作戦で練習を控え、
疲労によるパフォーマンス低下を防ごうと
思っていたが、
仲間の熱い気持ちに応えて練習に出てしまった。
後で思うともうちょっとキャスト動作を
セーブしていたら良かったかな。
飯田君、哲、エビちゃん、
サポートホントにありがとう!
プラに出て良かったこと。
バイトは果てしなく遠いけど
それが当たり前と思える忍耐を覚えたこと。
地形が浅くなってしまった場所を覚えたこと。
シャローに入れるルートをチェック出来たこと。
知っているブッシュが成長しすぎて
良くなったブッシュ、
逆に成長しすぎて入れれないブッシュを認識出来たこと。
カバークリーパーは霞水系で実績ある3.5gより
(今の自分の状態で)
キャスト決まりやすく、カバーに落ちやすい
5.8gの方が効率良攻めでいい魚が釣れると思い込めたこと。
などなど。
逆にアカンかったこと。
釣りの動作をしてしまったことで
疲労が蓄積され本番、特に後半での
キャスト精度、パフォーマンスが落ちてしまったこと。
はっきり言って、押しが効かず下手になりすぎた。
それと固定観念が生まれ始めた。
プラで釣れた場所にこだわってしまいやすくなったこと。
などなど。
ただ霞水系では「ここは絶対にいる。」と
思い込まないと釣れないこともある。
トーナメントウィーク前日金曜日10月27日。
睡眠不足を補うためゆっくり眠りたいところだが
あまり寝すぎると、夜眠れなくなるので
早起きする。
ABCマリーナに行き、艇庫でライン巻き替え。
試合で使うだろうというルアーやシンカーなどを
すぐに出せるよう、あらかじめ用意した来た
小型魂BOXに入れ替える。
ブース出展のために前入りした
EG社員が来てくれてクルマを洗車に持っていってもらう。
その間、Basserライターより試合前の電話インタビューなど。
なんやかんやで午後3時ごろには準備完了。
宿に戻って風呂に浸かって体を暖める。
早めに晩飯に出て6時過ぎに宿へ戻り
地図やメモした場所をチェック。
8時には寝ようとするが眠れない。
試合当日は夜中13時半起床に目覚ましセット。
ようやく、うとうとしだした時に
電話が鳴る。
これでまた起きてしまい
ほとんど寝れないまま試合当日を迎える。
3時10分。ABCマリーナ艇庫着。
運転とランチングサポートの飯田君合流。
3時20分出発。
4時大山の会場。霞ケ浦トーナメントプレイス到着。
4時30分。選手ミーティング。点呼。遅刻厳禁。でも早すぎるって。
スタート順抽選。懐かしい顔が並ぶ。
でも真っ暗すぎ。
プレスアングラーと顔合わせ。
広島から新幹線&レンタカーで来た早川クン。
2日間いい感じで同船してくれた。
ありがとう。ご苦労様。
その後、順番にインタビューして
早くから来てくれたファンの声援受けて
パワーもらって
花道通って再びスロープへ。
やがて美しい夜明け。
順にボート降ろして
朝日に向かってスタート。
僕の最初のエリアは北浦。
石積みインサイドのミズヒマワリを撃つ。
プラでキロフィッシュ釣ったと同じ
キッカーバグファットベイビー17.5gテキサスから入る。
普通にノーバイト。
ゴロゴロと雷鳴が響き、
稲妻が黒雲の中で頻繁に光る。
不安な空。
逃げるように移動。
プラで閃いた場所へ。
カバーを撃ち始める。
カメラ艇が近づいた。
そういえば去年のオールスターも
「津留崎さん来てくれた時にデカいの釣れたなぁ!」
と思い出し、口に出してた。
しばらく丁寧に撃つが、全然普通に釣れないので
カメラ艇が去って行った。
その直後、錆びた鉄杭越しに違和感を感じた。
アワセると明らかな魚の感触。
ただその直後、ロックしたように動かなくなった。
「ああ、巻かれてる。」と思ったが
ロッドで耐えているとすぐに出て来た。
普段はバラムで釣った時以外は滅多に使わない
ランディングネットを手にする。
ラインがこすれている。
ネットランディングが下手やったわ。
でも、無事ランディングに成功。
普段のゴンザレスより遥かに嬉しい魚。810g。
気持ちがホットになった。
カバークリーパー5.8g&アントライオン3.3インチ。
カバクリもアントもカラーはグリパン。
ロッドはオライオンライトニングストライク。
少し前に結び変えたばかりの
マジックハードR14ポンドは
鉄杭でこすれてガビガビだったが
耐えてくれた。
しかし、これが初日最初で最後の魚となってしまった。
おったなぁ1回。あと2回ほしかった。
この後常陸利根川へ移動すると
恐ろしいほど冷たく強い風を感じた。
真っ黒な雷雲が近づいて来た。
逃げる。
逃げた方向にも雷雲。
その直下を祈るように通過。
やっと抜けた。
北利根川を抜けようとした時、デカいうねりを感じた。
霞本湖は大荒れ。
目指す東浦はどす黒く低い雷雲。
引き返す。
仕方なく北利根川を撃つ。
釣れる感じがしない。
もう一度霞本湖へ。
行きたい東浦、西浦共に低くどす黒い雷雲が垂れ込める。
アカン!危ない。怖すぎるって。
予定にはなかったウエイン会場近くの
風裏となる古渡を目指す。
大荒れの中、チャージャー210でドカドカ、ズンズン進む。
古渡エリアのカバーを撃ちまくり
何もなく初日終了。
雷が大幅にプランを狂わせた。
でも、それは皆、同じ条件。
初日8位。1本810g
トップウエイトは伊藤巧選手。
3本リミット3870g。
大差があるが何があるか分からないのがトーナメント。
事実、初日のトップ4は2日目は全員ノーフィッシュで
ひっくり返せるチャンスはあった。
初日のステージ終えて、
途中給油(ハイオク80リットル)。
ABCマリーナ艇庫へ戻る。
初日終了時点で疲れまくり。
この日は晩飯食べ終えるのが遅く、
ゆっくり風呂に浸かって9時半ころ就寝。
翌日13時50分起床。
前日に比べて良く眠れた気がした。
4時10分頃、会場到着。
この日は前日に比べかなり寒い。
スタート前の朝日輝く大山スロープ。
隣は今江克隆。その隣は清水盛三という並び。
昔にタイムスリップしたかのような偶然。
遠くではサンダー&ライトニング。
静かな湖面。2日目は6時スタート。
この日は霞ケ浦本湖勝負。
延々と我慢の時間。
信じたカバークリーパーを撃ち続ける。
東浦を出て東岸へ。
ブッシュをランガン。
風が当たる石積みの裏のブッシュへ。
本命のブッシュに入る前に来た!
カバークリーパー5.8g&アントライオン3.3インチ。1100g。
信じたコンパクトカバージグ。
これで釣れそうな場所を次々と狙った。
あと2本!
この後も狙いのブッシュをランガン。
ただ、どんどんキャストが決まらなくなって来た。
今までの代償。
電池が切れたかな。
いや精神力でカバーしたる。
自分の下手さを口に出しそうになるが
感情を抑えて、淡々と撃ち続ける。
もう時間がない。
会場近く。古渡エリアへ移動。
昔釣ったブッシュ。
10分だけでも釣りが出来たらいい。
最後まで絶対に諦めない。
最後のキーパーがジグ喰ったのは
終了7分前だった。
430g。
こんなに小さな魚が嬉しい。
試合って凄いな!
最終順位は8位。
会場には前日より遥かに多い大観衆。
朝のハイタッチで力もらいました。
皆さん、釣りをバスフィッシングを愛してください。
未来にバスフィッシングを繋いでください!
そして熱い声援ありがとうございました。
またこの場所に戻って来たいと思いました。
優勝は伊藤巧選手。
本当におめでとうございます。
EGプロ順位は
今江克隆4位入賞。おめでとう。
菊元俊文8位。
沖田護10位。
清水盛三21位タイ。
となりました。
エバーグリーンを応援していただいた皆様ありがとう!
ファンの皆様。
スポンサー各位。
主催のバサー誌。つり人社様。
絶大なる運営サポートのBMCの皆様。
素晴らしい会場を提供いただいた
霞ケ浦トーナメントプレイスの皆様。
地元美浦村の皆様。
そしてちょっと弱っていた僕をサポートしてくれた
EGの素晴らしき仲間たち。
ABCマリーナの伊藤さん、森さん。
日本最高峰の選手の皆さん。
本当にありがとうございました!